WEEK END

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ドリーム【感想】


 アカデミー賞にもノミネートされていた映画「ドリーム」を見ました。
 原題は「Hidden Figures」。日本での題名は一時「ドリーム 私たちのアポロ計画」でしたが、後にSNS上でタイトルについて叩かれて「ドリーム」と変更されました。
 邦題タイトル問題は色々考えなくてはいけないと思うので、難しいとは思うのですが、アメリカ初の有人宇宙飛行計画であるマーキュリー計画を扱った映画ですので私も

いや、アポロ計画は無いでしょ……

と、当時思っていました(笑)

先月あったAmazonビデオの100円セールの時に購入していたのをすっかり忘れていて、視聴期限けっこうギリギリでの今回の視聴となりました。

ドリーム STORY

1961年、アメリカはソ連との熾烈な宇宙開発競争を繰り広げていた。NASAのラングレー研究所には、ロケットの打ち上げに欠かせない“計算”を行う優秀な黒人女性たちのグループがあった。そのひとり、天才的な数学者キャサリンは宇宙特別研究本部のメンバーに配属されるが、そこは白人男性ばかりの職場で劣悪な環境だった。仲の良い同僚で、管理職への昇進を願うドロシー、エンジニアを目指すメアリーも、理不尽な障害にキャリアアップを阻まれていた。それでも仕事と家庭を両立させ夢を追い続けた3人は、国家的な一大プロジェクトに貢献するため自らの手で新たな扉を開いていくのだった……。
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それは今もある

 本作の舞台は1961年。天才的な数学者キャサリンを主軸に、管理職への昇進を願うドロシー、エンジニアを目指すメアリー、この三人の物語が進んでいきます。
 この三人は実際に存在していた人物であり、この映画は冒頭で表示が出ますが実際の出来事を元にしたストーリーです。“元にした”なので少し脚色はされている様です。
 
 主人公の三人の前には往く手を阻む障害が幾度となく現れます。
 それは黒人であるというだけで向けられる奇異の目であったり、白人と区別され遠い離れたトイレに行かなくてはいけない事、受けたい授業を受けられないもどかしさ……。
 人種差別や性差別。それをおかしいと思っていない人々。
 時代がそうだったから? そうかもしれません。
 いくらかマシになっているかもしれませんがそれでも、人種差別や性差別は50年以上経った「今」でもあることです。

 途中である人物が言います。

差別しているわけじゃないのよ」と。

それに対してドロシーが答えます。

しっています。ご自分でそう思っているのは

とてもキッツイ言葉です。
おもわず「おわぁ」とよくわからない奇声を上げるほどに、胸に刺さりました。

無意識の、心のどこかで差別しているのかもしれないと、私自身にも言われている様な気分でした。

生きる

 彼女たちは自らの力で問題を解決していきます。
 キャサリンは職場で肩身の狭い思いをしながらも自身の力で状況を良くしていきますし、それはメアリーやドロシーも同じです。
 特に感銘を受けたのはドロシーの行動ですね。次に必要となるであろう技術を一足早く察知、勉強するのは本当に『先見の明がある』というのを体現していると思います。

 そんな彼女たちに共通しているのはその芯の強さであると感じます。
 仕事に対する熱意、目指す場所、なりたいモノへなろうとする思い。それぞれの思いを抱えながらも本当に強く、気高さすら感じさせるその生きざまに胸が熱くなります。

まとめ

 実際の所、1961年当時のNASAでは(少なくともNASAの中では)作中にでてくる白人用と黒人用(というか白人以外の人達)とで別れたトイレなどといった、差別的な設備は無かったそうです。他にもまぁ色々と史実と違う所はある見たいですがここで紹介するのは割愛。

 作中幾度となく差別的なシーンを目の当たりにし、暗澹たる思いにかられます。
 ですがそのたびにキャサリン達の活躍やその持ち前のタフさで進んでいく様などを見ていると、気分が完全に沈まずに済みます。それに度々かかるBGMも良いですね。
 その辺はバランスが優れているのかなぁとも感じます。史実であればそこに寄せるあまり物語が平坦になりそうなものですが、キャラクターで魅せているというか、そんな感じも受けます。

 心をざわつかせる、いい映画でした!