WEEK END

ゲーム・映画・本・アニメについて感じた事・思った事などを綴るブログです。

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー【感想】

 朝一でMCUシリーズ最新作、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」を見てきたので思った事をポツポツと書いていきたいと思います。

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー STORY

6つすべてを手に入れると世界を滅ぼす無限大の力を得るインフィニティ・ストーン。その究極の力を秘めた石を狙う“最凶”にして最悪の敵<ラスボス>サノスを倒すため、アイアンマン、キャプテン・アメリカスパイダーマンら最強ヒーローチーム“アベンジャーズ”が集結。人類の命運をかけた壮絶なバトルの幕が開ける。果たして、彼らは人類を救えるのか?
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以下ネタバレあり注意!

衝撃の展開

 マーベルロゴが出た後、ソーやロキ、ハルク側から物語は始まります。MCUの時間軸でいうとマイティ・ソー バトルロイヤルのラストシーンのすぐ後になると思います。
 そしてさっそくハルクが今回のボスであるサノスに負けて、ヘイムダルの「架け橋」によって一人地球へ飛ばされます。のこされたソーとロキですが、ロキが死亡、ヘイムダルも死亡、ソーも宇宙船ごとやられてしまいます。
 ここでロキが死ぬとは思っていなかったので、とても驚きましたね。正直ここでサノスの方についていくのではと思ったのですが、ソーの方を取ったのはなんだか見ていて微笑ましかったです。
 そして舞台はハルク=ブルース・バナーが飛ばされた地球へ。ドクターストレンジの元へ落ちたブルースはサノスの魔の手が地球に迫っている事を告げます。アイアンマン=トニー・スタークも合流したところへ急に敵の襲撃があります。これによってドクターストレンジはタイムのインフィニティ・ストーンごと敵につかまり、追いかけたアイアンマン、ついてきたスパイダーマンと共に敵の宇宙船ごと宇宙へ行く事に。
 地球にある残りのインフィニティ・ストーンは残り一つ。ヴィジョンの額にあるマインド・ストーン。こちらも敵の襲撃がありましたが、ヴィジョンごとキャプテンアメリカが保護し一行はワカンダ王国へ。
 一方のソーは宇宙漂流している所をガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの一行に助けられます。ここでソーは新しい武器をに入れる為に、武器を作れるドワーフの星へロケットとグルート共に向かいます。残されたスター・ロード=クイル達ガーディアンズメンバーはサノスが向かう次のインフィニティ・ストーンの元へ向かいます。
 ざっとまとめると、ここまでで語った宇宙側と地球側、そしてサノス側の三つの場面が入り乱れて物語が展開していくわけですが、どの場面も中だるみすることなく面白い。個人的にはガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバーが大好きなので、彼ら彼女らが出てくると途端にギャグ空間の様になるのがとてもよかったですね。作品ごとの空気感みたいなものをうまくアベンジャーズという“祭り”に馴染ませている様に感じました。
 それぞれの各地のヒーローの健闘むなしく、サノスは最終的にすべてのインフィニティ・ストーンを手に入れてしまいます。その過程でガーディアンズのガモーラが死亡、ヴィジョンも死亡。
 そしてソーが一太刀サノスに食らわせますが、結果はむなしくサノスはその目的である全宇宙の生命の半分の消滅を実行してしまいます。
 ヒーロー側のほとんどのメンバーが塵と化して崩れて行き、残ったメンバーを残しエンディングへ。
 正直、公式で「アベンジャーズ全滅!」という煽りをしていたので、この終わり方を想像していなかった訳ではないのですが、実際に見せられると衝撃ですね。公開前のネタバレ禁止を徹底していたのはまぁ「そりゃあそうだよねぇ」って感じです。

今後の展開は・・・?

 ドクターストレンジも塵となって消えてしまう訳ですが、その前に今の現状を「これしかなかった」とトニー・スタークに語ります。さらにその前の場面では未来の可能性を実際に確かめたドクターストレンジですが、どうやら良い未来の可能性はかなり低い様子(数万回分の1とかだったはず)。現在のこの展開が彼の見た唯一の未来なのであれば良いのですが、彼が消滅し、インフィニティ・ストーンの奪われたこの状況では確かめる術がありません。
 そもそも、インフィニティ・ストーンをすべて手にしたサノスに勝てる見込みはあるのでしょうか。正直まったく想像がつきません。
 望みがあるのであれば、ガモーラがクイルに語ろうとしたサノスの秘密(?)でしょうか。どうやらそれはガモーラの死をきっかけにした何かであると推測できますが、何とも言えませんね。
 この絶望の状況からどう逆転するのでしょうか……。

※4/29日追記(ガモーラの言っていたことは、難しく考えすぎたかも。まぁ、多分、インフィニティ・ストーンの在り処の事のくだりなんでしょうけど、最後にサノスと話す幼いガモーラが出ていたので、何かあるのではと。そこはそうであってほしいですね。)

まとめ「全滅。だけどすごく面白い!」

 キャラクター面では、敵役サノスの掘り下げ方が割と丁寧なのが好印象でした。娘であるガモーラへの愛情を感じさせる、涙を流すシーンは意外でしたが良かったですね。
 戦闘も全体的によかったです。見せ場がそれぞれに(そこそこ)あって、それでいて飽きさせないと感じました。
 それと個人的には序盤のドクターストレンジ、トニー・スターク、ブルース・バナーの会話でバルーン・アートの話が出ていたのに笑ってしまいました。たぶん、これかなぁと(笑)
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 全編通して、ずっと「最高かよ」と心の中で呟きながらの鑑賞となりました。もう一度見たい!
 そして、ラストの「これ、どうすんの……」という絶望感もたまりませんでしたね………。しんどい。

 何にしても続編は来年という事らしいので、続きを想像しながら待ちたいと思います!
  

レディ・プレイヤー1【感想】


 映画「レディー・プレイヤー1」を見てきました! 昨今話題のVRを扱った映画です。

レディ・プレイヤー1 STORY

”2,045年。今から27年後の未来。多くの人々は荒廃した街での現実を送っていたが、人々には希望があった。それはVR(バーチャル・リアリティー)の世界「オアシス」。専用のゴーグルを着け、そこに入れば、もう一人の自分となり理想の人生を楽しむこともできる。ある日、そのオアシスの創設者、ジェームズ・ハリデーが亡くなり、彼の遺言が全世界に配信された。”オアシスに隠された3つの謎を解いた者に全財産56兆円とオアシスの所有権を授けよう”。その宣告に世界中が沸き立ち、莫大な遺産をかけた壮絶な争奪戦が始まった。現実ではパッとしない日常を送る17歳のウェイドもまた参加者の一人だ。オアシスで出会った仲間たち、そして謎めいた美女アルテミスと協力し、争奪戦を勝ち残ろうとするウェイド。しかしそこには争奪戦に参加する巨大企業「IOI社」も出現して…。3つの謎に隠されたメッセージの秘密とは?アルテミスとの恋の運命や仲間との絆も試されるウェイドは、謎を解き、IOI社の陰謀を阻止する事ができるのか?現実の世界とオアシス。その両方で繰り広げられる冒険とバトルは、信じがたい次元へと発展していくーーー。想像を超えた戦いの先に勝利を手にするのはいったい誰だ!”
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VR世界と現実世界

 冒頭、物語は主人公ウェイドの語りで進んでいきます。主に自身の現実世界/バーチャル世界における立場や人間関係、世界観の説明がギュギュっと濃厚に語られます。正直これは最後までついて行けるのかと不安になるほどでしたが、なんとかそのあたりは飲み込めたと思います。なるべ~く、なるべ~く前情報を入れない様にしての視聴だったので尚更でしたね。
 ストーリーの軸としては、謎解きの様なゲームにチャレンジし、3つある鍵を手に入れる、という流れがあります。3つの鍵を手に入れた者には56兆円とVR世界「オアシス」の運営権利が与えられるという事で、日々オアシスにアクセスする人々はオアシス創設者ハリデーの仕掛けたイースターエッグ探しに熱中している、と。そしてVR世界「オアシス」を手中に収めようとする「IOI社」が主人公達の前に立ちはだかり、VRワールドだけでなく現実世界でも攻撃を仕掛けてきます。つまりストーリーの運びとしては、VR世界での主人公達の活躍と現実世界のリアルの主人公達の両側面から進んでいくわけです。
 VR世界での姿と現実世界での容姿のギャップは面白くていいですね。忍者が11歳の男の子だったり、憧れのあの子の現実の世界での姿はおっさんとかでは無くて、カワイイ女の子であるとかはティーン小説、ライトノベル的だなぁとは思いましたが、そういうの嫌いじゃないです。むしろ好きです。
 ですが現実世界でIOI社に襲われる展開(中盤、終盤)はなんだか不思議と緊張感などはなく、個人的には見ていてハラハラという事も無かったです。あくまで物語の展開をくみ上げる為の構成要素なのかなぐらいの認識で、たぶんわざとそういう風に作っているとは思うんですけどね。
 そして最終的に56兆円とオアシス運営権利を手に入れたウェイドは仲間たちとそれを分け合い、オアシス内に新たなるルール、2日の休みを導入し、物語の最後に「現実だけがリアルなんだ」と言い放ちます。この行動、一言は、どこか自分に向けられている様で、ちょっとだけモヤモヤと心に刺さりました。言っているのは当たり前の事なんですけど、なにか心に残るのは、画面越しに叱られている気分になったからかもしれません。
 現実とゲーム(虚構)との折り合いは計画的にって事ですね。現実も悪くないです。それに現実はご飯がおいしいですしねー。

入り乱れるキャラクター達

 レディ・プレイヤー1はたくさんの往年の映画、アニメ、ゲームのキャラクターがプレイヤー達のアバターとして登場します。有名キャラクターやその世界が出ているシーンはどれも面白いですね。
 序盤、レースのシーンでアルテミスが乗っているバイクの話を主人公たちが「AKIRA」の「金田バイク」という風にちゃんと実名を言って喋っていたのが印象的でした。そのバイクにキティちゃんのステッカーがついているのに気付いた時はニヤついてしまいました。
 そして謎解きで、映画「シャイニング」の世界に入った時は「ほんとなんでもアリだなこの映画!」と笑いつつも例のドアを斧で叩き割るシーンで一人ビックリして飛び上がりそうになっていました。
 しかし特に気に入っているのは「メカゴジラ」VS「ガンダム」ですよ! 特にメカゴジラ登場のシーンのBGMがもう、テンション爆上がり。「あれ?まさか?まさか?き、きたーーーーーーー!!!ゴジラメインテーマだーーーーーーーーッ!」って感じです。
 ………それにしてもあのメカゴジラはなんかずんぐりむっくりしてて、ギャレゴジがメカ化したみたいなフォルムでしたね。むむむ。
 いろいろ書きましたが、正直、一度見たぐらいではほとんどどのようなキャラクターが出ているかは分からないでしょう。そう言った意味ではもう一度見たくなる類の映画ですし、それだけじゃなく、ちゃんとストーリが面白いのでもう一度見たくなる映画でもあります。

まとめ

 見ている最中はぼんやりと、これは今の時代だからこその映画だなぁ、と考えていました。VRが本格的に家庭に入ってきて、作中で出てきたルームランナーとVRを合わせた様な装置はもうありますし、オアシスの下地になっている映画やゲームをリアルタイムに見れている、そんな今の時代に生きているからこそのワクワクする映画。
 はたして27年後、VRゲームはこの映画に追いつくのでしょうか? このままいけば、未来の技術は映画に追いつきそうではありますよね。未来が楽しみです。
 そして最後になりますが一つ、この映画で気になる事があります。




未来はVR酔いとか、大丈夫なの???(切実)

FGO 永久凍土帝国 アナスタシア 獣国の皇女 感想

 4/4日に配信開始になったFate/GrandOrderの第2部・1章、「Lostbelt No.1永久凍土帝国 アナスタシア 獣国の皇女」をクリアしたので感想的なものを書いていきたいと思います。当たり前ですがネタバレ注意
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・異聞帯、敵の目的

 序章でのカルデア襲撃を受け、シャドウ・ボーダーで虚数空間へと逃げた主人公一行。今回、何とか実数空間への浮上を果たしますが、シャドウ・ボーダーは故障。虚数潜航は一時的にできなくなってしまいます。
 浮上した場所はロシア。そこでは魔獣と人間を合成した新人類「ヤガ」が暮らしており、イヴァン雷帝が統治し、オプリチニキが目を光らせる異様な世界。
 「異聞帯」(ロストベルト)と呼ばれるこの世界は何らかの原因によって汎人類史から分岐した世界であり、行き止まりであり打ち切りの人類史。つまり滅びが確定した世界。パラレルワールドではないらしい。
 どうやらカルデアを襲ったクリプター達は、この異聞帯を侵略兵器として使い、汎人類史を侵略しているみたい。
 そして、この世界には「空想樹」と呼ばれるデカイ樹が生えており、これが2部における倒すべき目的、1部における魔神柱の様なボスに当たる様ですね。とはいえ、これは汎人類史にこの異聞帯を固定する為のものっぽいので、どの程度敵の中で重要な事なのか……。クリプター達、つまりAチームがフォーリナー的な神……の様な「何か」に蘇生してもらった際にその「何か」が「空想樹はこの惑星を初期化する。新たな神話を作り上げる。汎人類史を押し潰し、神をその手で構築せよ。私を受け入れる、その法則を築き上げよ」と言っていることから、おそらく「私地球に降臨したいから空想樹使ってその下地作ってね、よろしく」という事だと思うので、重要ではありそうな気がするんですがー。まぁ、結局なんだかよくわかんない感じで破壊された訳ですが。
 この世界の担当者であるカドック君や他の6人が担当する世界はどうやら最終的に最後の一つの世界になるまで戦わなくてはならない様なので、Fate的な感覚からいうと聖杯的な何かを満たすために最後の一世界になるまで戦わなくてはいけない? つまりそれぞれの世界がどのような方法であっても全て消えればいい訳で、仮にそうだとすれば、主人公たちがこれから残りの世界を潰していくとして、それは結局のところ「何か」の思うつぼなのではないか、なんて想像します。「神は、どちらでもいい」っていう台詞はそういう事なのかなって。

・敵味方含むキャラクター達

 主人公たちがこの異聞帯で出会い行動を共にする「ヤガ」のパツシィは非情に人間味のあるキャラクターでしたし、敵であるカドック君やアナスタシアの様子も「尊い。。。」と内心、呟きながらプレイしていました。
 アマデウスサリエリの関係もすごく良かったですねぇ。サリエリはお迎えしたいけれど、ストーリー限なのでガチャを引く勇気は無いんじゃ……許しておくれ……。
 あとはアヴィケブロンも良かったですね「ここを工房とする!」(水曜どうでしょうネタ)は笑いました。テンションあがってるの面白いし可愛い。最後の覚悟も良かったです。
 そして序章からその片鱗を見せていた新所長のあふれ出る残念感と実は良い人感。「え? なんでそういうコトするの?」とか言い方や顔が絶妙に憎めない感じで好きです。
 他にもアタランテ・オルタや、ミノタウロス、コヤンスカヤ、イヴァン雷帝、それに武蔵ちゃんと多くのキャラクターがいましたが、注目すべきはなんといってもこの男でしょう。言峰神父ことラスプーチン……こと言峰綺礼です。
 言峰は作中で2004年に死んだが遺体は焼失してしまったとされていますが、疑似サーヴァント・ラスプーチンとして本編に登場します。ですがラスプーチンが目的を果たした為、言峰の中からラスプーチンは消える事となった様で……。残ったのはサーヴァントの体と言峰本人の意識、つまりそれってほぼ本人って事じゃないですかー、うわー。ストーリーをどう引っ掻き回してくれるのか、今から楽しみです。

・まとめ

 今回のお話はかなり大ボリュームでしたね。それにシステム面ではマシュの霊衣解放が追加され、それによってスキルや宝具の変更が可能になりました。という事は今後は他のサーヴァントが霊衣解放することで、違う宝具を使える可能性が……? 夢が広がります。
 ストーリー的には次の章「Lostbelt No.2 無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング」に魔術世界三大組織の一つ彷徨海が出る様なので、そこがカルデアメンバーとどう絡んで行くか気になります。それに「どうせ死んじゃうんでしょ」ぐらいの感覚でいたカドック君が生きたまま拘束されたので、彼のその後も気になる所です。
 おそらく間が空くとは思いますが、次の章にも期待して配信を待ちたいと思います。

  

春アニメ原作モノ放送開始順まとめ

もうすぐ4月です。春アニメが始まるので漫画や小説、ゲームなどの原作があるアニメを最速放送開始順にまとめました
日付順になっているので、「今日何のアニメ始まるんだっけ?」という時につかえたらいいかなぁ、なんて、ぼんやりとした内容になっています。
なお、表示されている放送メディアは最速放送メディアのみとなっていますのであしからず。

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ブラックパンサー

 現在公開中の映画「ブラックパンサー」を見てきたので感想を書きます。
 MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)シリーズですね。
 シビル・ウォーにてすでに登場していた「ティ・チャラ」(ブラックパンサー)が主役となります。

ブラックパンサーSTORY

若き国王ティ・チャラ、またの名を漆黒のヒーロー<ブラックパンサー>。
2つの顔を持つ彼の使命は、祖国である超文明国家ワカンダの“秘密” ──“ヴィブラニウム”を守ること。
それは、世界を破壊するパワーを秘めた鉱石だった。
突然の父の死によって王位を継いだティ・チャラは、人類の未来をも脅かすこの国の“秘密”を守る使命を負う事に。
だが――「私に、使命が果たせるのか…?」
ミステリアスな新ヒーローが躍動する、ハイスピード・アクション・エンターテイメントが幕を開ける!
公式サイトより

以下ネタバレあり

序盤で張られた見事な伏線

 冒頭、伝説を語る様にワカンダの成り立ちの説明が入ります。いかにしてワカンダは超テクノロジー、そしてそれを支えるヴィブラニウムを手に入れたのか等の説明です。
 1992年。ロサンゼルス暴動のあった年、子供たちが広場でバスケットボールに興じるその隣のマンションで物語ははじまります。
 そのマンションの一室で本作の主人公であるティ・チャラの「父親」、そしてその父親の「弟」が対峙する事となります。この一室での出来事が中盤以降のストーリーに大きな影を落としていくことになります。
 そしてこの冒頭の一連のシーンで張られる伏線が見事で、後半以降ティ・チャラの前に立ちはだかる今作の敵「キルモンガー」の過去、行動理由、思想、その背景などがギュウギュウに詰まっているのです。
 例えば冒頭の説明台詞が実は「弟」(要するにティ・チャラの叔父にあたる)が、その「息子」に語っているシーンである。だとか、その「息子」は外でバスケットボールに興じている少年の内の一人であり、後のキルモンガーであるといった事。一室での出来事の結果、キルモンガーは父親の思想を受け継ぎ、その後の行動に影響を与えていく事、などなど。
 世界観を説明しつつ、さらりと実は今回のヴィラン(敵)の行動理由や正体についての伏線を張っている、といった事を同時にやってのけているので(しかも違和感ゼロで)、おもわず心の中で唸ってしまいました。すごい。

女性陣の活躍

 もちろん主人公であるブラックパンサーの活躍も存分に描かれるのですが、この映画は女性陣の活躍がすごい。
 ティ・チャラの元カノにしてワカンダのスパイ「ナキア」。王を守る親衛隊ドーラ・ミラージュの隊長「オコエ」。そしてティ・チャラの妹にして天才科学者「シュリ」。この三人の活躍も本作の魅力の一つ。
 特にスキンヘッドが特徴的な女戦士「オコエ」がすごくカッコイイ。前半戦の韓国での戦闘シーンの槍さばきなんかは本当に惚れ惚れしました。
 どうでもいい話ですが彼女が隊長を務める親衛隊ドーラ・ミラージュが、槍を地面にドンドンするところは、なんだか癖になります。好き。

まとめ。隠されてしまった過去、そしてその先にあるモノ

 本作は前王である父親が隠してしまった過去によって生まれてしまった、キルモンガーという敵に主人公ティ・チャラ(ブラックパンサー)が立ち向かう事になります。
 そしてティ・チャラは最終的に、キルモンガーという敵を通して、目を背けてきた「世界とワカンダの関係」について決断を下すことにもなります。
 彼が下した決断については詳しくは分かりませんが、ワカンダという国がこの世界(MCU)に与える影響は小さくは無いでしょう。
 まずは次なるMCU作品「アベンジャーズ/インフィニティ―・ウォー」でのブラックパンサーの活躍に期待したいと思います。



(……字幕で見て、ジャバリ族っていうのをジャパリ族に空見して「すっごーい、きみはゴリラのフレンズなんだね!」って思ったの私だけではないハズ……)

新感染 ファイナル・エクスプレス

 映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」を見たので感想書こうと思います。
 去年ちょっと話題になってたので、見ておきたいなーと思いながらも、中々見る機会がなくて今回やっと見ることができました。
 この作品はいわゆるゾンビものです。

ソウル発プサン行きの高速鉄道KTXの車内で突如起こった感染爆発。疾走する密室と化した列車の中で凶暴化する感染者たち。感染すなわち、死ー。そんな列車に偶然乗り合わせたのは、妻のもとへ向かう父と幼い娘、出産間近の妻とその夫、そして高校生の恋人同士・・・果たして彼らは安全な終着駅にたどり着くことができるのか―?目的地まではあと2時間、時速300km、絶体絶命のサバイバル。愛するものを守るため、決死の闘いが今はじまる。彼らの運命の行き先は・・・。   公式サイトより

 さてまず言っておきますと私はゾンビ映画に明るくはありません、いままで見たことがあるゾンビ映画バイオハザードシリーズドーン・オブ・ザ・デッド、ワールドウォーZ、アイアムアヒーロー、あとはショーン・オブ・ザ・デッドぐらいでしょうか。あー、アイアムレジェンド、あれはゾンビなのか?
 ……ですので、他の作品と比べて―どうこうというよりかは、心に残った点をピックアップしてあーだ、こーだと言っていきたいと思います。

ゾンビ×新幹線

 主人公ソグと、その娘スアンちゃんはプサンにいる別居中の妻(お母さん)に会うために、新幹線に乗ることになります。しかし、新幹線が出発するその直前、ゾンビウィルスに感染した女性が駆けこんできます。
 新幹線は出発したものの、すぐにその女性から添乗員のお姉さんへとウィルスは感染し、瞬く間に新幹線は地獄と化します。
 このゾンビウィルスは、よくある噛まれると自分もゾンビになっちゃうやつです。そしてこの時点での特記すべき点は、噛まれてから発症までの時間の短さ。噛まれたら数十秒ののち、即ゾンビです(個人差があるっぽい?)。この辺は作中にスピード感がでて良いなと感じました。
 そして舞台設定が面白い。「舞台が新幹線」という設定を存分に使った物語運びは素晴らしいですね。連なる車両や、新幹線が止まる駅がメリハリになって、たとえば小説でいうところの章の様な役割を果たしているのではないかと思います。
 物理的に一本道の、限られた、登場人物が逃げだせない舞台だからこその、移動した先の一車両ではこういう展開、次の車両ではこういう事が起こって……という風に、コロコロと展開が転がりやすい。そしてそれ故に小エピソードが綺麗に美しくまとまっている印象を受けます。
 特に途中、離れ離れになったスアンと妊婦ソンギョン(それとおじさん)を助けるために、ソグとサンファ(妊婦の夫)、そして学生ヨングクが何両も先にある車両へ向かうくだりは、ヴァリエーションがあって面白いですね。車両ごとに力技で切り抜ける展開だったり、奇跡的にゾンビの弱点が分かり知恵を使って乗り切ったり、同じ切り口で中身が違うショートショートでも読んでいる様な気分でした。面白い。

泣けるゾンビもの?

 この映画一見ゾンビものですがいわゆる家族愛ものの要素があります、そのためそう言ったのに弱い人はおそらく泣いてしまうかもしれません。
 私は特に母親からの電話のシーンとサンファのシーン(どことは言いませんが)は涙腺にちょっと来ました。
 ですが、ラストシーン付近のソグの回想とも夢とも取れる、あのシーンは露骨に泣かせに来てる感じがして、イマイチ乗れませんでした。ちょっと露骨な感じがして拒絶反応が出てしまったんですよね。

まとめ

 総じて間違いなく面白かったですね。ちょっと突っ込みどころもありますが(一部噛まれてからゾンビになるまでの時間が長いキャラクターがいるとか)、見て良かったと心から思えます。
 前半のあの伏線のおかげでラストシーンの……といった所もうまく伏線回収されてて良かったですし。
 気になっている方は見てみるべきだと思います!

機動戦士ガンダム サンダーボルト(1~4話まで)

 こんにちは! foolです。実はちょっと必要にかられて、「機動戦士ガンダム サンダーボルト」を見ることになりました。詳しくは言いませんが、強要されてアニメを見るなんてこともあるんですねェ……。
 自分の意志ではないとはいえ、私自身ガンダムは好きな方ですし、いつかサンダーボルトは見ようとおもっていたので好都合だったともいえます!
 Amazonプライムで1話から4話までが見れたのでこれを利用しましたよ。

機動戦士ガンダムサンダーボルトSTORY

"宇宙世紀0079地球連邦とジオン公国が戦った一年戦争の末期、サイド4のスペースコロニー群、ムーアはジオン軍の攻撃により破壊され、多くの住人が命を落とした。破壊されたコロニーや、撃沈された戦艦の残骸が無数に漂う暗礁宙域では、ぶつかり合い帯電したデブリによって絶えず稲妻が閃くようになり、いつしかそこは、『サンダーボルト宙域』と呼ばれるようになった。ムーア市民の生き残りで構成された地球連邦軍所属部隊、ムーア同胞団は、故郷であったサンダーボルト宙域の奪還を悲願とし、宙域のジオン軍を殲滅せんとしていた。連邦の進軍を足止めせんとするジオン軍も、義肢兵の戦闘データ採取を目的に設立されたリビング・デッド師団を展開。ムーア同胞団に所属しながら、故郷や自身の出自に束縛される事を疎ましく思うイオ・フレミングと、過去の戦闘により両足を失い、今はリビング・デッド師団でエーススナイパーとして活躍するダリル・ローレンツは、戦場で対峙した時、互いに悟るのだった。ふたりは、殺し合う宿命なのだと……。”

非情な現実

 連邦側の主人公イオとジオン側の主人公ダリルのダブル主人公で物語は進んでいきます。
 両陣営の主人公含む人々の立場、思惑、感情。そしてそれにのしかかる戦争という異常事態が生み出す、鋭ささえ感じさせる非情な展開。作中でそれぞれの登場人物の過去から今現在の運命の転がり方を見ているとおもわず「うへぇ……」と、声が出てしまいました。

以下ネタバレあり!

ダリルの自覚無き異常感

 非情な展開といえば特に印象的なのはジオン側の主人公ダリルの「リユース・P(サイコ)・デバイス」(名前からしてなんかやばそう)を使うために右手を切り落とすまでの流れですね。他作品でいうと「鉄血~」の阿頼耶識なんかを思い出しましたが、これはえぐい。
 そして腕を切り落とすことでしかこの戦場を生き残るすべは無く、もはや退路が無いというのがダリルにはキッツイ所のはずです。ですが、周り(カーラや艦長など)の反応をよそに、描写こそされていませんがダリルがすんなりとそれを受け入れたッポイ所に、このダリルというキャラクターの内に潜む闇、自身ですら自覚していなさそうな異常さが垣間見えます。全体的に普通の人っぽい描写のダリルですが、戦争という異常のなかで普通でいる事が逆に異常というか……。ポップスを聞きながら連邦のモビルスーツを打ち抜いていく(撃ち抜かれていく)のはなんだか恐怖とシュールさが同時に来てどんな顔してみればいいのかわかりませんでした。
 ダリルが腕を切り落とす手術をすぐに受け入れた(っぽい)理由は単純にリユース・P・デバイスを使用することで、モビルスーツを自身の失った手足以上に自由に動かせるというある種の感動、快感の様なものが下地になっていると思いますが、そもそもモビルスーツは戦争という異常事態のための手段の一つなのでそれを求める限り戦いを続けなくてはならないというのが悲しいところです。

イオは自覚した上で、異常を是とする

 一方の連邦側の主人公イオは人間味のあるキャラクターだと感じました。物語の展開上ほとんどの視聴者はジオン側の応援をしたくなると思います。そこでその敵であるイオにはあまりいい感情を待たないかもしれません。ですが個人的にはがむしゃらに行動している様なイオは「実に人間っぽくていいな」と好感を持てます。
 イオが好きで戦いに身を投じている戦闘狂、というのは事実なのかもしれませんが、どこか過去を振り切る為にただやけくそに異常者の様な振りをしている様な印象も受けます。もっともそうだったとしても、それはいつかのどこかで本当になる事であり、実際そうなっているのでしょう。まぁ、想像ですが。
 4話ラストのダリルとの会話を聞いている限りでは、イオは戦いに魅入られそれを受け入れ戦いを望む、というのが世間一般のそれとは確実に異常なのだと認識/自覚はしている様な気がするので、はたしてそれが本当の異常者と言えるのかはちょっと判断がつかないですね。ともあれ戦闘狂(の様な事)を続ける限りロクな死に方しないだろうなぁ、とは思います。

まとめ

 半ば強制されて見始めたサンダーボルトですが、やっぱり面白いですね! 今の所Amazonプライムビデオにサンダーボルトの4話以降はプライム特典としては見れないようですが、今度は自身の意志で続きの話数を見たいと思います。原作も続いている様ですしそちらもチェックしたいですね。
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